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新渡戸カレッジ履修生・修了生、フェロー・メンターからのメッセージです。

専門分野を深めつつ 新しい挑戦もできたハワイでの9ヵ月

平 亨
投稿日: 2016-10-12

プロフィール

平 亨(たいら とおる)さん

新渡戸カレッジ第1期生/理学部 地球惑星科学科 4年(2016年10月掲載時)

福島県出身。福島県は昔から地震が多く、そこから地震という自然現象に興味を持ち、大学で専攻するなら地震学と思うように。最近の趣味はバッティングセンターとバドミントン。

ハワイ大学の長期留学で得た大きな収穫

2013年の春、北大から届いた封筒に、入学許可証と一緒に新渡戸カレッジの入校案内が入っていました。そこに「グローバルリーダー」や「海外留学」など魅力的な言葉が並んでいて、漠然とではありますが、きっと将来役に立つはずだと思い、新渡戸カレッジに入ることにしました。とはいえ、長期留学についてはあまり考えていませんでした。短期留学はしたいと思っていましたが、長期となると留年の心配があり、先入観で難しいと思い込んでいたのです。でも3年の夏から4年の春まで9ヵ月間、ハワイ大学マノア校に長期留学したのは、たとえ留年してもマイナスになる要素はないと気づいたからです。具体的には、地震学に関する専門的な知識が得られる、コミュニケーションツールとしての英語力を鍛えられる、世界中から来ている留学生や現地の教授と人脈を築けるといったたくさんのプラス要素などです。

また、新渡戸カレッジには「留学支援英語」をはじめ、留学前から海外の文化に触れられる「国際交流科目」など有意義な科目が多くあります。奨学金のサポートも手厚く、自分は北大と新渡戸カレッジの両方で奨学金を受けることができ、留学中は札幌で生活するより出費が抑えられたほどです。

ハワイ大学では自分の専門である地震学に関連する科目—例えば数学(特殊関数、複素関数)やMATLABプログラミング、ベイズ統計学などが多く、より専門的な知識が得られると考えました。実際にハワイ大学の授業で統計学が地震学の研究に極めて重要であることに気づき、現在所属する地震学研究室でも、地球内部の構造を解析する際にこのとき学んだ手法を応用しています。

留学中の経験でたくましく成長

留学前に新渡戸カレッジのフェローから、英語はもちろんこれからは中国語も重要だとアドバイスを受け、ビジネス中国語の授業も取りました。授業はもちろん英語なので一瞬も気が抜けません。はじめての中国語で苦労するうえ、英語にもついていかなければいけない。でもその苦労に慣れてくると、英語が簡単に思えてくるんです。この経験で外国語への抵抗が少なくなったと思います。

授業はすべて少人数制で、学生は多くて10人、少ないときは3人の場合も。内容はディスカッションが中心で最初の1ヵ月は苦労しましたが、留学前に北大で学んだ知識に助けられました。というのもアメリカの学生は数学があまり得意ではなく、いつも自分が助け船を出す役割になり、そのうち議論の輪に積極的に入る自信がついてきました。普段の生活でもいろいろな人が住むルームシェアのアパートで、充実した毎日を過ごすことができました。

フェローとの対話は貴重な財産

新渡戸カレッジで一番役に立っていると感じるのは、3年生から始まった「対話プログラム」です。担当フェローはメインが1名、サブが3名で、北大OBの方とこれほど濃密に接する機会は他にないと思います。進路や就職について具体的なアドバイスももらえ、見方や考え方が広がります。例えば前回の対話プログラムでは、自分がやりたいこと、やりたくないことをリストアップし、それを手がかりに「人生の価値観」を考えてみては、とアドバイスをもらいました。自分なりの価値観が見つけられれば、どんな業界でどんな仕事についても、やりたいことができるはずだと。答えを見つけるには何年もかかりそうですが、フェローの言葉を忘れずに、しっかりと人生を切り拓いていこうと思います。

新渡戸カレッジ関連のおもなできごと

1年生

  • 新渡戸カレッジ入学
  • 春休みに1ヵ月間、アメリカ・ポートランド州立大学で語学研修(英語)

2年生

  • 新渡戸カレッジのグループミーティングでリーダーを務める
  • 夏休みに1週間、礼文島の遺跡発掘調査(国際フィールドスクール)に参加

3年生

  • 8月からハワイ大学マノア校に長期留学(〜4年生の5月まで)