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Messages from Nitobe College Students, Alumni, Fellows, and Mentors.

自分がどう向き合い、どう生かしていくか 。それが試される場であり、大きくステップアップできる場所

志済 聡子
Post Date: Aug 24, 2017

プロフィール

志済 聡子(しさい さとこ)さん

日本アイ・ビー・エム株式会社執行役員・セキュリティー事業本部長
1986年 北海道大学法学部法律学科卒業

北海道根室市生まれ。札幌南高校卒業後、北海道大学に入学。在学中はESS(英語研究会)に所属し、大学3年の夏にカナダに短期留学。1986年、日本IBMに入社しセールスとしてキャリアを積む。27歳で長女を出産、1年間の育児休職。復職後の1991年から中央官庁担当として基幹システムの刷新プロジェクト等に従事。2007年ソフトウェア製品部門の営業統括理事を経て、2008年米国本社に出向。帰国後は公共事業担当執行役員として政府や医療機関等への営業統括責任者を務め、2015年から現職。経済同友会会員。

自らつかみ取る姿勢があってこそ

新渡戸カレッジは私たちの時代とは比較にならないほど恵まれた環境で、本当にうらやましく感じます。その多様なプログラムを生かすも殺すも、まさに自分次第。ぜひ貪欲にチャンスをつかんでください。「グローバル人材」というと、わかりにくいかもしませんが、これからの社会で求められるのは、自分から心をオープンにし、コミュニケーションしていく姿勢をもっている人材です。英語ができるだけではなく、コミュニケーションの力と、コラボレーションの力が不可欠です。そういった基本的なコンピテンシーを養うチャンスが、新渡戸カレッジにはあふれています。

新渡戸カレッジでいちばん面白くないのは、何かを「やらされている」と感じて義務感で動くことです。ここは学部とはちがい、やる気がなくても誰もとがめず、大学も卒業できます。だからこそ、自分がどう向き合ってどう生かしていくか、それが試される場であり、それだけに大きくステップアップできる場所なのです。

私は新渡戸カレッジ初年度からフェローとして活動してきましたが、最初は学校側も私たちフェローも、試行錯誤の連続でした。職員とフェローで何度も議論を重ね、少しずつ制度を作り上げてきました。これまでの大学にはない枠組みでの活動ですから、苦労も多くありましたが、なんとか形ができてきたと思います。また、毎年ポテンシャルの高い学生が進んで新渡戸カレッジの門を叩いてくれています。いつか「新渡戸カレッジがあるから北大に入りたい」という学生が出てきたら、もっとうれしいですね。

自分の成長とともに、さらに次のステップへ

これまでのカレッジで、1年から2年、3年、4年と学生たちをみていると、年々頼もしく成長する様子が感じられます。たとえば、1年生は最初の自己紹介で、自分は引っ込み思案でとか、人前で話ができないとか、そんなことばかり言っています。意見もほとんど言いません。そこで1回目のグループ・ミーティングでは「 You need voice!」をモットーにしました。まちがっていてもいいので、とにかく声を出すことが目標です。それが2年生になると、少々重たいテーマを取り上げても議論できるようになり、少しずつ力がついてきます。さらに3年生になると、自分から積極的に話し、相手の話を聞いて対応もでき、コミュニケーションできるようになってきます。

また、3、4年生の「対話プログラム」は、フェロー対学生が個人同士でしっかり向き合うことができる、すばらしいプログラムです。1、2年生までのグループ・ミーティングとは違い、学生自身も留学を経験したり、これからの進路がハッキリしてきたり、自分のビジョンを描き始めているので、対話の内容もぐんと濃いものになってきます。

私自身、北大を卒業してこんなに時間が経って、もう一回大学と関わることができるとは思っていませんでした。母校の後輩たちの役に立てることを、とてもうれしく思います。また、若い人たちと話をするのは私にとっても得がたい機会ですし、皆さんの成長を見るのは楽しいことです。それはどのフェローも同じです。ぜひたくさんのフェローに接し、いろいろなことを吸収し、どんどん役立ててほしいと思います。

フェローの流儀: 人生で大切にしていることは?「いま大事なことを、絶対にあきらめない」

これまで、ほとんどのことは「負けず嫌い」で乗り越えてきました。仕事も子育ても、目標を達成するために、とにかく全力で挑みます。できないことに、言い訳をしない。自分にも、そのほかの障壁にも負けるのが悔しいので。ただし、いつでも何に対しても全力か?というと、それはまったく違います。ふだんの生活では99%細かいことを考えず、ラフに過ごしています。

でも、人生には時折すごく大事な局面があり、「これだ!」と思った瞬間にスイッチが入り、急速に頭が回り始めます。ほかのことは二の次となり、ワークライフバランスなど考えません。いま大事なこと、やりたいこと、必要なことを絶対にあきらめない。そう思えることは、そんなに多くないですよ。