新渡戸カレッジでは、10月2日(土)10時より特別講演会を開催しました。
今回の講演会は、13時より開講される新渡戸カレッジ基礎プログラム学部教育コースの必修科目である「新渡戸学(フェローゼミ)」に先立って、新渡戸カレッジ校長である寳金総長が「科学と生命倫理」と題して、高等教育推進機構大講堂において、対面にて講演されたものです。
講演会には、基礎プログラム学部教育コースの正式入校生約180名に加えて、フェローゼミ担当フェロー、支援教員、ゲスト講師及び新渡戸カレッジ関係教職員の約30名をあわせて、合計210名ほどが参加しました。
寳金総長の講演は、ご自身の趣味や特技についてジョークを交えながら話されることによって、やや緊張気味だった学生の気持ちを和らげることからはじまり、徐々に本題である「科学と生命倫理」の世界へと来場者の心を引き込んでいかれました。過去から現在にかけて生まれた格差社会と倫理の問題、そこに自由と平等が存在し常に衝突していること、また、自由と平等は反比例の関係にあるものの、しかし、正義と平等はイコール(=)の関係にあること、さらに、医療における正義は常に平等であり、平等な医療提供が医療資源の公平な分配を得、基準的価値としての「生命・健康」が健康の増進と生命の延長を生んでいるなど、多方面に及びました。
加えて、日本あるいは世界で生命倫理に関する様々な事件の事例について話され、特に総長の専門分野である医学界での事例や出来事に対しては、説明に一段と熱が入られました。その上で、科学と生命倫理の課題を挙げて、「新渡戸カレッジはこのための〈知のトレーニング施設〉」であることを強調されて、講演を結ばれました。
