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平成27年度新渡戸カレッジ入校式、学内合宿

5月9日(土)・10日(日)、八重咲きの桜が咲きほこるさわやかな天候のもと、新渡戸カレッジ第3回目の入校式と学内合宿を高等教育推進機構大講堂で行いました。世界で活躍するグローバルな人材をめざし、第3期カレッジ生として1年生164名、2年生71名(合計235名)が、在校生362名とともに新たな一歩を踏み出しました。

9日午前の入校式には、山口佳三総長(新渡戸カレッジ校長)、石山喬北海道大学連合同窓会会長(同副校長)、新田孝彦理事・副学長(同校長代理)、上田一郎副学長、山口淳二副学長(同副校長)をはじめ、理事・学部長・担当教員等が出席するとともに、新渡戸カレッジフェロー(同窓生)22名が道内外から駆けつけ、カレッジ生の入校を祝福しました。

式の幕を開けた山口総長の訓辞では、「かつて新渡戸稲造が札幌農学校の伝統を創ったように、皆さんがこのカレッジの伝統を築き上げてください。これからの新渡戸カレッジは皆さんにかかっています。私たち教職員、フェローは、皆さんを全力で応援します」との激励がありました。
次に、本年度お世話になるフェロー25名のうち、当日ご出席の22名の紹介、在校生による祝辞として歯学部3年早川さん、新入生代表として獣医学部1年桜井さんの挨拶がありました。先輩の早川さんからは、「夢に向かうステップとして新渡戸カレッジでのチャンスは無限です」というアドバイスが送られ、新入生の桜井さんは「チャンスを活かし勉強面でも精神面でも成長したい」との抱負が述べられました。

引き続き、フェローによる祝辞としてカレッジ1年生を担当する志済(しさい)聡子フェロー、2年生を担当する石川祐一フェローからお話をいただきました。志済フェローからは、「私たちはこれまでの経験、知識、人生哲学のすべてを皆さんに惜しみなく提供する覚悟でいます。膨大なフェローの引き出しを、ぜひ貪欲にこじ開けて活用してください」、石川フェローからは「人生の可能性は無限ではありません。有限の時間のなかで何ができるか、何のために学ぶのか考え、人のために尽くせるよう一緒に進みましょう」といった熱いメッセージがありました。

その後、「新渡戸カレッジ奨励賞」を受けた9名への表彰式、新渡戸カレッジに多大な貢献をなさった本堂武夫フェローへの「名誉フェロー」称号授与式を実施しました。式の締めくくりには石山喬副校長からの講話があり、経営者として90のグループ企業をまとめ、自らの方針を社のDNAとして伝えた経験を交えながら、「いかに志を実現するか」といったお話をいただきました。
大講堂いっぱいに集まったカレッジ生たちは、多くのお祝いと応援メッセージを受け、晴れやかな喜びや誇りとともに、これからの生活に向けての引き締まった気持ちを実感しました。

9 日午後からの学内合宿では、新渡戸カレッジ設立に尽力された本堂武夫名誉教授、ミシェル・ラフェイ特任教授による講演が行われました。
本堂教授の「新渡戸カレッジに託した夢」と題した講演では、「今なぜグローバル人材が求められるのか」、「なぜ(クラークではなく)新渡戸か」、「なぜカレッジか」といった話題を分かりやすくお話いただき、新渡戸カレッジがどのような思いで創られたのか、また将来どんな発展を期待しているかについて語っていただきました。

ラフェイ教授の「Greatness」と題した講演は、すべて英語で行われ、あなたも私もgreatではないけれど可能性は持っていると話題を始め、かつての新渡戸稲造も常にgreatであったわけではなく、そうありたいと願い、理想に近づこうとすることが大切であることを、多様なエピソードを交えてお話いただきました。カレッジ生はラフェイ教授の美しく、ユーモアのあふれる英語に惹きつけられ、笑いのあふれる講演となりました。

その後、先輩からの経験談としてNCP(Nitobe College Partners 旧称:新渡戸倶楽部)メンバーによる活動説明、山口副学長による履修ガイダンス、専門員や教授らによる留学説明が行われました。
夕方からは20のグループに分かれ、第1回グループ・ミーティングを実施しました。ここでフェローとカレッジ生が意見交換を行うとともに、今年度のグループリーダー、サブリーダーを決定しました。また、夕食は再び北部食堂に集合して懇親会となり、カレッジ生同士の交流を深めながら合宿1日目が終了しました。

10日午前はフェロー特別講演として、杉江和男氏(DIC(株)相談役、サッポロホールディングス(株)社外監査役、カレッジフェロー、企画専門委員・東京同窓会長)にご講演いただきました。
「社会が求める人材—グローバルリーダーへの道—」と題し、なぜ今グローバルリーダーが求められるのか、どうすればリーダーになれるのかについて、豊富なデータとご自身の30年を超える経験をもとに説明いただきました。企業が新入社員採用の際に重要視する素質(コミュニケーション能力、社会経験など)を育てるチャンスが、この新渡戸カレッジには溢れており、それを最大限に活用してほしいとの期待も述べられました。
また、多くの企業では「指示されてもできない社員」が全体の2割、「指示されればできる社員」が6割、「指示がなくてもできる社員」が2割といわれますが、指示がなくてもできる人になるために、常に自立心を持ち、変化に対応することの大切さを強調されました。リーダーシップは1日1日の積み重ねにより養われること、そうなろうとする”心がけ”で行動が変わることを、それら実践してこられた杉江氏にお話しいただくことで、カレッジ生の心に深く感銘を与える講演となりました。

その後は前日に引き続き、昼食を交えながら第1回グループ・ミーティングを実施し、13:30に合宿2日目が終了しました。また、番外編としてNCPによる「なんでも相談会」が開かれ、カレッジ生が自由にブースを訪れ、留学やカレッジ生活、学生生活などについて先輩たちからアドバイスを受けました。