5月9日に開校した新渡戸スクール。翌週から、基礎プログラムの最初のコース「スタートアップ科目」が始まりました。科目責任者の敷田麻実教授(観光学高等研究センター)を中心に、谷博文准教授(工学研究院)、大沼進准教授(文学研究科)、そして難波美帆特任准教授(高等教育推進機構)が8週間の授業を担当しました。
初回は、新渡戸スクール全体のガイダンスの後、チームで課題に取り組む必要性について学び、チームビルディングについて、アイスブレークを交え、例題に取り組みました。効果的なチーム形成のために、どのようにチーム運営するのか、どのような役割が必要かなどについて、実際にチーム内でワークすることを通じて実感をともなって学びました。
第2週は「ファシリテーション」がテーマ。チームで目的を達成するためには、どのようなミッションや目標、役割分担、そして制約があるか認識することが重要です。意見を出し合い、整理し、議論を取りまとめるために有効なスキルを学びました。
第3週は「リーダーシップとチームマネジメント」について。『12人の優しい日本人』という映画をみて、何が学びとれるのかディスカッションが行われました。次に、どのようなリーダーが望ましいか、求められるリーダーシップについて学び、効果的なチームマネジメントについて体験的に学びました。
第4、5週のテーマは「プロジェクトマネジメント」。専門の外部講師4人が来学し、レクチャーをするとともに、グループワークの指導をします。プロジェクトマネジメントに関する概論について講義を受けた後、ストローを使って塔を作るプロジェクトのマネジメントをグループワークで体験することにより、学生はプロジェクトマネジメントの理解を深めました。
第6週では、被災地や途上国など実社会で事業を立ち上げ運営している2人の外部講師を招いて、その活動の概要や、実体験に基づくアドバイスについてレクチャーしていただきました。地域のニーズやリソースを活かすだけでなく、地域に価値を還元することの重要性や、人とのコミュニケーションや信頼関係が大事なことを伝えてくれました。
第7週は文学研究科の蔵田伸雄教授による「専門職倫理」の演習。基本的事項についてのレクチャーの後、専門家が企業や社会において陥る倫理的ジレンマとその解決策および説明のしかたについて、事例に基づいてディスカッションし、ロールプレイングを取り入れた学びを体験しました。
最後の週は、工学研究院の金子純一教授による「マーケティング」がテーマ。事業を立ち上げ、軌道にのせるために必要なマーケティングの考えを、身近な例題に基づいて学びました。商品をPRするだけでなく、自分の強みと弱み、外的な好機と脅威を分析する手法を理解することができました。
すべての回で、レクチャー、チーム活動、成果発表が組み合わされており、学生はアクティブラーニングの基礎を徹底的に学ぶことができ、今後の学習の足場を固めることができました。