野澤 智媛(のざわ ちえ)さん
教育学院 修士課程
「多様性を楽しむ自由」そして「自分の可能性を信じる勇気」――この二つが、新渡戸スクールの1年間で得た最も大きなものでした。
私の研究テーマは、子どもの貧困と対人支援です。学習支援ボランティアの経験から、大人と子どもが信頼関係を築くことによって生まれる様々な変化とストーリーに魅了され、このような支援普及の力になりたいと、研究に臨んでいます。新渡戸スクールへの入校動機は、自分の研究が他分野と協働した際にどのように映るのか興味があり、その経験を支援普及のためのソーシャルアクションに活かしたいと思ったからです。
様々なバックグラウンドを持つメンバーとのグループワークは、ワクワクすると同時にドキドキすることも多かったです。未知のトピック、議論についていけない不安、緊張する英語のプレゼンテーション、思わぬところで障壁となる「異文化」……。正直、何度も、限界かもしれないと思いました。しかし、友人や先生方の支えもあり、ドキドキよりもワクワクが勝り、最後まで諦めずに取り組むことができました。
今振り返ると、「周りのみんな、すごいな」「自分なんて……」と打ちひしがれるのではなく、「自分も……」と信じて、模索できるようになったことが、一層グループワークを楽しめるようになった転機でした。縛りから自由になり、勇気を得たように思います。「どんな人も、その人にしか見えないものがある」という実感は、「どんな人も素晴らしい可能性を持っていて、それが発揮される社会は面白い」という、私の研究信念を裏付けるものとなりました。かけがえのない体験です。今後は、研究や仕事だけでなく、日常生活の場面でも、何かを共にする縁や活動を皆が楽しめるようエンパワメントできる存在になりたいと思っています。
誰かと何かを成し遂げる際にはさまざまな葛藤がつきものです。しかし、新渡戸スクールはそれでも食らいつく価値のある場所だと私は確信しています。