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2018年04月04日

語学だけではなくて

笹岡 友季穂
大学院教育コース修了生

笹岡 友季穂(ささおか ゆきほ)さん
水産科学院 海洋応用生命科学専攻 博士後期課程
新渡戸スクール基礎プログラム2期生、新渡戸スクール上級プログラム1期生

新渡戸スクール受講の動機を教えてください

基礎プログラムの受講を通じて、自らの専門性を自覚しました。そこで次に、専門性に基づいて行動する能力を習得したいと考え、実践を重視する上級プログラムを受講しました。もちろん、上級プログラムの受講内容に、博士学生に必須である研究費獲得に向けた申請書作成スキルや、英語でのプレゼンテーションスキルのトレーニングが含まれていることも魅力的でした。また、博士課程では他研究科の学生と交流する機会も少ないため、上級プログラムの場を借りて交友関係を広げ、異分野への理解力を養うチャンスだと思いました。

新渡戸スクールで印象深い出来事や授業を教えてください

よくディスカッション中に、「あなたはどう思う?」と具体的な考えを求められることが多いのですが、いざ意見を言おうとすると考えがまとまらず上手く伝わらないことがあります。物事を表面的にしか考えておらず、言うことが無いから言えないのだと気づき反省しました。スクールには、自分の意見を明確に表明できる人が多いです。留学生が多いから、という陳腐な理由ではなく、一人ひとりが考えをしっかりと持っていて、芯が強いことが理由だと私は思います。こうした仲間に鍛えられて、常に物事を深く考えるスタイルが身につきました。受講前と比べて、自分の意見を明確かつ率直に述べることができるようになったと強く実感しています。

研究と新渡戸スクールをどう両立していますか?

上級プログラムは授業形式ではないため、拘束時間が少なく、研究との両立もしやすかったです。もちろん、申請書作成のトレーニングや英語スライドの作成には、まとまった時間が必要となります。そうした際は、スクールの課題に集中しすぎて研究活動が疎かにならないように、日中は実験、夜はスクールの課題と取り組む時間を明確に区切りました。体力的にしんどい時もありましたが、区切ることによりメリハリが生じ、結果的にどちらにも集中して一気に取り組むことができました。

思い描いているキャリアパス・将来像は?

私は自分の専門性を発揮して、地方経済の活性化に貢献したいと考えています。
これまで水産業の現状や課題を学ぶ中で、水産業を活性化して財源を確保することにより、高齢化や人口減少の問題を解決できるのではないかと考えるようになりました。そこで、私の専門性である、1.水産学・生化学・食品科学に関する専門知識と、2.物事を客観的に分析し解決策を提案する力を活かし、水産業を通じた地方経済の再興をライフワークにしたいと考えています。特に、地方の水産業は食品製造が主要であるため、専門性を発揮することにより、製造方法や品質管理に関する課題解決を支援できると考えています。海外への輸出など国際的な商業取引を無視できない時代において、新渡戸スクールで身につけた国際感覚や異文化への理解力、寛容さは、私の武器になると強く感じています。