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対話プログラムに参加して 1

早川 美奈子さん(歯学部3年)

今年度の対話プログラムは、2013年度に着任された10名のフェローが担当してくださいました。私は、2014年度に2年次で新渡戸カレッジに入校したため、2013年度からいらっしゃるフェローの講演は聴いておらず、グループを担当してくださった井上フェロー以外の方々の詳しいプロフィールやお人柄がよくわからないまま4月の第一回の対話プログラムを迎えてしまいました。そのため、実際に対話が開始される前に行われた、それぞれのフェローのプレゼンテーションが、対話したいフェローを選ぶ上でいちばんの参考になりました。たとえば、北村フェローはご自身の主な研究業績の一覧をプレゼン内で見せてくださり、それがたいへん興味深かったので、対話が決まった際にはあらかじめ公開執筆記事を読ませていただきました。そして、実際の対話プログラムではその論文の内容をふまえて、詳しい研究内容や、その論文を書くに至った経緯、情報収集の手技やそのテーマの選び方を伺ったり、「歯科コンサル」という考えた事もなかった新しい職業の選択肢を提案していただいたりしました。とくに、会社での受託研究と大学での学術研究の性質の違いに関するお話が興味深かったです。また、柴田フェローは在フィンランド日本大使館でお仕事をされたこともあるとプレゼンで知り、柴田フェローとの対話では国家公務員としての業務内容ややりがい、日本人とフィンランド人との仕事に対する考え方の違いやライフワークバランスについてお話していただきました。このように、私は最初のプレゼンの内容に沿って、フェロー一人ひとりに対し話したい内容を決めていましたが、例えば、女性の家庭と仕事の両立についてなど、同じテーマを複数のフェローに様々な見方から答えていただくのも面白いと思います。

逆に、プレゼンで「キャリアシートの書き方」や「企業がどのような学生を必要としているか」といった、就職活動を意識した具体的な対話を望んでいらっしゃるフェローとは、私の求めているものとフェローの求めているものが異なっていると感じたため、今年度は対話を希望しませんでした。なぜならば、現在私は歯学部に在籍し、卒業後は歯科医師免許を取得し、さらに歯学の研究に進みたいと考え、企業就職は予定していないからです。しかし、学部では歯学に特化した科目しか勉強せず、医療従事者以外の社会人とお話しする事はなかなかないため、今後の対話では実際に企業で仕事をされているフェローに、業務に対する心構えや非医療従事者から医療従事者に求めることなども伺ってみたいと現在は思っています。

今年度は主担当制度というものがあり、主担当とのフェローとの対話は毎回保証され、メール交換は主担当のフェローとのみ許されていました。私の主担当は世界有数の薬学者である、大塚フェローが務めてくださりました。将来、研究者を志す身としては、優秀な女性研究者である大塚フェローの経験談はとても貴重なものでした。6年制であり卒後の臨床研修が必須である歯学部では進路選択までの時間がまだ多く残されているため、将来の目標にむけてピントの定まった行動をする事がなかなか難しいのですが、大塚フェローが1年間にわたって私の成長に目を向けてくださり、必要に応じて的確なアドバイスをしてくださることは非常に有り難い事でした。また、主担当の大塚フェロー以外にも日本の作業療法士のパイオニアとして活躍された鈴木フェローとも毎回対話をさせていただきましたが、医療従事者としての心構えや、世界でも自分の信念を貫く大切さを教えていただき、また個人的に困った事があったときは共に頭を抱えてくださったり、私の性格や考えに応じてぴったりなアドバイスをしていただいたりしました。秋には、英語の病理学の有名な問題集の翻訳に関わることが決まったと報告した際には、鈴木フェローはまるで自分のことのように喜んでくださり、尊敬するフェローと感情をわかちあえるような関係であることにたいへん感動しました。今年度はフェローに対する学生の数が少なかったため、複数のフェローと継続して対話する事ができたのですが、フェローが私たちの事をよく知ってくださったうえでアドバイスを頂けるので、多くのフェローと継続してお話しする事をお勧めします。

また、振り返りの記録を提出するためだけでなく、フェローの対話の前に前回の話を振り返ったり、新しいアイディアを得た際にこれまでのフェローのアドバイスや自分の考えを思い出したりするために非常に有効なので、対話中にはメモをとっておき後で時々メモの復習をすることをおすすめします。

フェローは世界規模で活躍されている方々ばかりですが、北大生の私たちを後輩として大切にし、先輩という立場で親身になって対話をしてくださいます。フェローが新渡戸カレッジ生全体に向けて話してくださる講演会も貴重な経験ですが、フェローが一人のカレッジ生のためだけに時間を割いてくださって一対一で思い思いの対話をすることができるのは、この対話プログラムだけです。ぜひこの機会を活用してください。