応援メッセージ

いくら失敗しても、それが財産になる。 何度も繰り返し行動し、新しい自分を見つけよう

プロフィール

村上幸夫(むらかみ・ゆきお)さん
内閣府公益認定等委員会事務局非常勤、株式会社MCインターナショナル代表
1973年 北海道大学理学部化学第二学科卒業

北海道赤平市出身。1973年に富士石油入社、エンジニアとして14年間勤務。その間、米国コロンビア大学ビジネススクールに2年間留学し、MBAを取得。帰国から7年後、米国ケムシステム社東京支店開設と同時に東京支店代表に就任。以来24年間に渡りケムシステム社、IBM、デュポン社でコンサルティング業務および国内の事業運営に取り組む。デュポン社退職後、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構にて求職者支援事業に従事。2016年4月から現職。

コップ半分の水をどう感じるか

%e6%9d%91%e4%b8%8a%e3%81%95%e3%82%932北大に入学した皆さんは、「コップの中に水が半分入っている状態」だと想像してみてください。今後、よほどのことがない限り、それほどひどい人生にはならないでしょう。無事卒業すれば平均点くらいの生活はできるだろうと思います。たいへんな受験勉強が終わって、とりあえずホッとして、あとは何事もなく学生生活を過ごしたい、と思っているかもしれない。 そんな風に半分の水で満足して「私の人生これで充分」と考えるか、「まだまだ足りない。もっと違うことをやりたい」と考えるか、それは皆さんの視点によって変わります。この新渡戸カレッジは、「半分の水では足りない」と思う学生に、コップいっぱいまで水を入れる環境を提供する場だと思います。

たとえば、医学部を目指してきたけれど入れなかった、という人もいるでしょう。別の学部に入り、希望とは違う道に進む場合もあります。そういう人にとっても、新渡戸カレッジは「新しい自分」を発見するチャンスとなります。グローバルリーダーとして活躍する自分を発見する環境を、“提供する場”だと私は理解しています。 また、皆さんは受験勉強で多くの本を読み、たくさんの知識を貯めていると思いますが、新渡戸カレッジではぜひその知識を実践してください。本を読んだだけで物事は理解できません。

新渡戸カレッジの多種多様なプログラムで、実践を繰り返し、積極的な態度や行動、振る舞いを訓練する場にしてくれればと思います。何度も繰り返し、失敗したり、反省点に気づいたりすることが大切です。失敗しても次に改善すればよいのです。社会に出てからの失敗は大きな痛手になりますが、いまはたくさん失敗できる恵まれた環境にいることを、どうか忘れないでください。

刺激を与え、与えられる関係に

%e6%9d%91%e4%b8%8a%e3%81%95%e3%82%933現在の新渡戸カレッジは、目的や方向性がより明確になってきたと思います。私は設立時からフェローとして関わっていますが、われわれフェローや教職員が、皆さんに伝えたいメッセージをしっかり伝えられるようになってきた。これは今までの学生たちと一緒に創り上げた大きな成果です。

私は3・4年生を担当していますが、「どう刺激を与えるか」をいつも考えています。皆さんが自分の考えや知識を、実際の行動に移すための刺激です。たとえば、競馬のサラブレッドでも騎手がピシッとムチを当てたとき、ぴゅんと走る馬と走らない馬がいますよね。それと同じように、いざというときに力を発揮できる人になってほしい。そのときによって方法は変化しますから、セオリーはありません。皆さんが疑問に思うこと、困っていること、好奇心を持っていることがあったとき、それに対して、さらに刺激を増やす対話を重ねるしかないと思います。

また、フェローの私が正しい対応をしたと思っても、それが正解ではない場合もあるでしょう。ですから、皆さんもフェローから「一方的に教わる」のではなく、フェローに対して刺激を与える、という気持ちで挑んでください。私も皆さんから教えてもらうことがたくさんあり、私自身の勉強になっています。学生だったころを絶えず振り返りますから、自分を理解することにもなる。皆さんに刺激を与え続けることは、私自身の訓練でもあるのです。せっかく新渡戸カレッジで出合えたのですから、一緒に学び、成長していきましょう。


フェローの流儀:人生で大切にしていることは?「振り向かず走り続ける」

古代ローマ帝国に、ユリアヌスという皇帝がいました。辻邦生の小説『背教者ユリアヌス』に、「ユリアヌスよ、後ろを振り返るな。前に向かって走り続けろ」という一文があり、この言葉が大好きです。彼はローマ帝国がキリスト教に席巻されたとき、ローマ古来の多神教を復興させようと働いた人物です。キリスト教に背教し、自分の信念のもとに走り続けました。
でも、途中で本当にこの道でいいのか悩み、そのとき心に刻んだのがこの言葉です。過去に囚われてもしかたがありません。迷ったとき、悩んだとき、私もこの言葉を思い出して走り続けてきました。