応援メッセージ

90分のゲームを走りきるために日々のトレーニングを積み重ねよう

プロフィール

松沢幸一(まつざわ・こういち)さん
参天製薬株式会社社外監査役
1973年 北海道大学大学院農学研究科修士課程修了

群馬県出身。1973年キリンビール株式会社に入社、福岡工場勤務。1978年ドイツ(ミュンヘン、西ベルリン)に留学、1988年京都工場製造部長に着任。1991年、農学博士(北大・論文)、1992年経営企画室室長代理、1996年キリン・ヨーロッパGmbH代表取締役社長、2002年北陸工場長、2003年生産本部生産統括統轄部長(執行役員、常務執行役員)、2006年キリンビール株式会社常務取締役、2007年キリンホールディングス株式会社常務取締役を経て、2009年〜2012年キリンビール株式会社代表取締役社長。2013年より首都大学東京客員教授、2014年より埼玉大学客員教授、参天製薬社外監査役、埼玉県人事委員会人事委員。

人生は「サッカー型」でいこう

ax8a6910大学時代は、社会に出る前の準備ができる、最後の貴重な時間です。この大切な時間を大切に、自分から目標をもって積極的に過ごしてほしい。そのほうが人生に張り合いがあり、充実感があります。卒業して社会に出てからも、ただお金をもうけて得るために生活するだけではつまらない。周りの人たちと関わり合いながら、社会がより良い方向へ進む役割を、自分から果たせる人になってほしい。私はそういう気持ちでフェローを続けています。

私は大学時代ずっとサッカーをしていました。そのせいもありますが、若い人には「サッカー型の人間になれ」とアドバイスしています。サッカー選手はゲームが始まったら自分の頭で考え、相手の出方次第で変幻自在に動かなければき、自分が出来るベストのプレーをしなくてはいけません。監督やコーチができるのは、試合前の準備まで。試合中は選手一人ひとりが「今、この瞬間にやるべきことは何か?」を考えて動くことが不可欠なのです。

人生も同じで、先生や親など、周りに助けを求める局面はもちろんあっていいと思いますが、基本はやっぱり自分です。自らやるべきことを考え、最善なことができるように準備しておくことが大切です。たとえば、試合の90分間を全力で走りきれるように、日々地道な練習を重ねることです。授業のレポートを書くのも、試験勉強をするのも、その先にある目標を達成するためという自覚を持って努力することが大事だと思います。

とはいえ、頑張りすぎるのはダメです。サッカーでも1日4時間、5時間もと練習するし過ぎると、大抵次の日には何もできなくなってしまいます。それより毎日2時間ずつでも練習してを積み重ねていくほうが、ずっと力がつきます。また、頑張ってあれもこれも完璧を目指す人がいますが、。完璧これはやめたほうがいい。中には「120%完全燃焼します!」と勢い込む人もいますがすると、これは長続きしません。後には灰しか残りません。人生はその後も長く続くのですから、燃え尽きてはしょうがない。力を発揮できる状態を絶えずつくることを、学生のうちから身につけるといいと思います。

グローバル人材に必要なもの

ax8a6938将来、グローバルに活躍するため何が重要かを考えてみましょう。実は、グローバルだから何が必要というものは,そんなにないと思います。まずは人間として誠実に、後ろ指を指されず、きちんと倫理観を持ちながら周囲の人と付き合い、コミュニケーションできること。外国語は,手段として身に付けたほうがいい。でも、その言語言葉ができたとしても、相手と対話できない人は大勢いますね。「TOEFLで何点以上取る」というのは、サッカーでいえばドリブルボールリフティングが何回連続できるかと同じようなもので、ゲームに入る前の準備にすぎません。相手が何を考えているのかよく聞き、自分が伝えたい内容をしっかり伝えること、これができるかどうかがコミュニケーションの重要な点です。

グローバルに活躍するには、厳しい場所や環境でも前に進んでいける、したたかな強さ、タフネスさを身につける必要があると思います。日本は非常に恵まれた環境で、何かしようと思うとたいていは思い通りにできますよね。モノを買おうと思えばいつでも買え、どこかに行こうと思えば安全に行ける。それが当たり前ですが、世界的に見るとこんなに整った環境は珍しく、ボーッと歩いて危なくない国は少ないですから。

かつては有名大学を卒業するとそれだけで評価される、という時代がありました。しかし今はどこの大学出身でも、周囲の人たちと上手くチームで仕事ができる、いつも気持ちよく仕事ができる、そういった点が人物として評価されます。グローバル社会になると,ますます看板だけではどうしようもありません。北大には「全人教育」という教育理念があり、その伝統があると思います。その理念を自分なりに考え、どのように行動に反映していくかを考えてもらえたらと思います。


フェローの流儀:人生で大切にしていることは?「前向き、誠実、自然体」

「前向き」とは先のことをポジティブに考える姿勢です。いろいろな状況があるなかで、つい後ろを振り向きがちになる場合もありますが、何か悪いことがあったとしても、それを次に生かして進むにはどうしたらいいかを考える。「誠実」とは、人間として真面目にやるべきことをやる。しっかりと取り組むことです。

しかし、あまり肩ひじをはって前のめりでいると、人は必ず失敗します。「自然体」は、柔道や相撲など格闘技に由来する言葉で、全身のバランスがとれている状態です。ムリせず、頑張りすぎず、自分の力を発揮できる「自然体」がいいですね。