校長挨拶

新渡戸カレッジ生を目指す皆さんへのメッセージ

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北海道大学総長
新渡戸カレッジ校長
名和豊春

新渡戸カレッジは、豊かな人間性をはぐくむための学部横断的な特別教育プログラムです。本カレッジ名の由来である新渡戸稲造は、豊かな精神性と真摯な活動により、本学の目指す「国際性の涵養」や「全人教育」の規範となる大先輩です。私たちの社会のグローバル化が急速に進行し、人や物や情報が瞬く間に世界を駆け巡る現代において、「新渡戸稲造の精神」が重要性を増してきています。このカレッジを構想するにあたり、本学は新渡戸稲造の精神を三つにまとめました。
それは、第一に「深い倫理性に基づいた品位ある自律的な個人の育成」、第二に「日本人としての自覚を持ちつつ、偏狭な排外主義に陥らない国際精神の涵養」、第三に「互いに国籍の区別を設けないで親しく交わる国際的教育の組織」です。
新渡戸稲造は、本学の前身である札幌農学校の第2期生であり、また、教員として札幌農学校に11年間在籍しました。国際連盟事務局次長を務めるなど近代日本きっての国際人であると同時に、「武士道」をはじめとする数多くの著作を発表した文筆家でもあります。この新渡戸の活動のように、幅広い分野にわたって、高い精神性と異文化理解、コミュニケーション能力を身につけた人材を数多く輩出することが、総合大学としての本学の使命と考えています。このような理念のもとに、2013年4月、北海道大学は、新たな学士課程プログラムとして、「新渡戸カレッジ」を創設しました。
新渡戸カレッジの特色の一つは、大学が社会とともに皆さんに教育を提供し、研究するという本学が掲げる「実学を重視した研究・教育」の、新たな実践の場であるということです。この新渡戸カレッジの新たな挑戦を実現するために、すでに社会で活躍されている国際経験豊かな本学同窓生に、カレッジ副校長やフェローとして協力いただき、新渡戸カレッジ生の学修やキャリア設計を支援していただいております。これは、日本の大学でははじめての試みです。カレッジ生の皆さんは、フェローの方々の貴重な経験や知見を学び、積極的に活用されることを期待します。
新渡戸稲造は、弱冠21歳の時に「我、太平洋の架け橋たらん」という志をもって、その後の人生設計を構築していきました。皆さんも、この新渡戸カレッジとともに歩みながら、自らの「夢」を膨らませてください。北海道大学は,皆さんが新渡戸カレッジ生の「夢」の実現に向けて,全力で応援します。
ただし、「夢」の実現には,自らの努力が最も重要です。札幌農学校でグローバル人材が育った理由の一つに,札幌農学校の初代教頭のクラーク博士が「Be gentleman.」の一言を校則とし,学生の自律心,独立心を目覚めさせたことが挙げられます。「gentleman」の意味を自ら追求し,各々が各自の目標を設定し,それを誠実に実践してください。皆さんの奮闘を大いに期待します。

2017年4月3日
北海道大学総長  名和 豊春